星見人 ~スターゲイザー~

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「サブリナさん、こんにちは時計の配達に来ました」リドの西隣の小さな村、メルト。村人達は酪農を主な生業としているこの村に、ピーターは午前中最後の配達の為に立ち寄っていた。
「あら、ピーター君ご苦労様」
木の下で、羊の番をしているメリッサ・メルト・サブリナはピーターに気付くとにっこりと微笑みながら歩み寄る。
「えーっと、サブリナさんは置き時計の修理ですよね?」
「そうそう、うっかり暖炉から落っことしちゃってね…。直ったかしら?」
「ええ、もちろんです」
斜め掛けの配達カバンから丁寧に包まれた箱を取り出しながら彼は言う。
そして、ラベルの名前を確認してからメリッサへと伝票とペンも一緒に手渡す。「じゃあ、受け取り欄にサインお願いします」
彼女は受け取ったペンでサインを書き入れるとエプロンのポケットから数枚の紙幣を取り出してから伝票をピーターに差し出す。
「はい、ありがとう。修理費はいくらかしら?」
「ええと、部品代と工賃で1500Gですね」
「じゃあ、これで」
「はい、ちょうどお預かりします。いつもありがとうございます」

「じゃあ、またお願いします」
受け取った代金をカバンにしまい、一礼して帰ろうとしたところだった。
「ピーター兄ちゃーん!」黄色い声をあげ、チョコレート色の長い髪を二本の三編みにした少女が実に嬉しそうにピーター目掛けてミサイルさながらの勢いで飛び付いて来た。
「ふごぅっ!?」
「ピーター兄ちゃん!この前のお話の続きしてよ!!」突っ込んだ拍子にピーターのみぞおちに頭突きを喰らわせた事など気付いていない彼女、エコー・メルト・レングスはまるで、喉を鳴らして甘える仔猫の様に尻餅を着いたピーターに抱き付いた。
「エコー、お前なぁ…」
噎せ込みながら彼はエコーを引き剥がす。
「だって、この前『すぐにまた来るよ』って言ってたのになかなかピーター兄ちゃん来てくれないんだもん。エコー寂しかったよぅ」「配達が遅くなったのは父さんのせいだ。俺は悪くない」
するとエコーはぷくぅっと頬を膨らませながら文句を言う。
「配達がなくても遊びに来てくれたっていいじゃん!!それにお話だってまだ途中でしょっ!!」
「なんで俺なんだよ、他の人から聞けばいいだろ?」ベタベタと纏い付くエコーに苛立ちを覚えながらもピーターはズボンに付いた砂埃を払い落としながら立ち上がる。
「エコーはピーター兄ちゃんから聴きたいのっ!!」
「今日はダメ。午後にもヘスティアの方に配達があるし、俺は腹がへった。だから家に帰って昨日の残りのシチューを食う!!」
ちょっと大人気ない断りかたをするピーター、泣き出しそうな勢いで駄々を捏ねるエコー。そんな二人を微笑みながら見ていたメリッサが声を掛ける。
「ピーター君、お昼ご飯うちで食べていかない?エコーちゃんも一緒に」
「でも、悪いですし…」
「本当!?メリッサ大好き!!」
ピーターの返事を聞く前にエコーはピョンと彼女に飛び付く。
「じゃあ、決まりね。ピーター君お昼ご飯の準備してる間にエコーちゃんにお話の続きしてあげて!」

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Discord of Fate 第一話

長編小説のプロットが出来上がったので、書いていこうと思います。
楽しんで頂ければ嬉しいです。



冬の朝、ベットでごろごろする事ほど幸せな事はない・・・

そんな風にリドの街で唯一の時計屋の長男坊、ピーター・リド・ジェイクはぬくぬくと温まった
ベットの中で考えた。
寝返りをうち、時計に目をやると6時を少し過ぎた頃を針は指し示していた。
「あぁ、そろそろ起きなきゃ・・・」
そう呟き、モソモソと未練がましくベットから這い出ようと上半身に力を入れた時だった


                ゴゴゴ

山が動いたかの様な低い地響き、それに続き地面から突き上げられる様な激しい震動。
ピーターが横になっているベット、いやリドの街全体が激しく揺さぶられた。
「うぉあ!!?」
なんとも間の抜けた声を上げピーターは床に転がり落ちた。


「いたたた…。また地震か最近多いよなぁ」
揺れが収まったのを確認してからピーターは立ち上がり、さほど広くはない部屋を見渡す。
幸い、被害はそれほどなく壁に掛けたカレンダーがズルリと床に落ちた程度だった。
ピーターは、落ちたカレンダーをピンで留め直すと寝癖でボサボサになっている自慢の赤毛を撫で付けながらクロゼットを開く。
「さてと…」
彼はベージュに焦げ茶のストライプの入った襟付きのシャツに黒のズボンを選び出し、身に着けると一階のキッチンへと向かった。

「父さん、おはよう」
「おぅ、おはよう」
ピーターより先にキッチンにいた彼の父親は、新聞の向こうからトーストをくわえ顔を出す。
「最近、地震多いよな」
牛乳をマグカップに注ぎながらピーターは言う。
「お前もそう思うか?原因は特定されてないが震源は山脈らしいぞ」
「ふーん。そんな事も新聞に載ってるんだ」
「あぁ、『王室お抱えの学者達が原因を究明中』とも載ってるな」
「山脈が震源ってわかってるんなら、城に閉じ籠ってないで調査隊でも送ればいいのにな」
トーストとマグカップを両手に父親の向かい側に座りながら彼は同意を求める。
「まぁな。でも、あそこは『竜が封じてある』とか言うだろ?」
「そんなの子供騙しのお伽噺だろ?」


トーストに木苺のジャムを塗りながらピーターは軽く笑い飛ばす。
「確かに、そうだが年寄りがうるさいんだよ。『100の巡りが解ける年だ』って。この前のギルドの時にこの話題がでてな…」
「父さん、その100の巡りって何の事?」
彼は父親の言葉を遮り尋ねる。
「あぁ、魂は死後100年すると新たな身体を得てこの世に戻って来るって言い伝えの事だよ。」
「生まれ変わりとか言うやつ?」
「まぁ、簡単に言うとそうだな。それで仮に、本当に100年にお伽噺になってる様な事が起きていたとすればの話だが、竜を使って国を滅茶苦茶にしようとした奴が生まれ変わってるからあの山脈には近付くなって警備隊に言ってるんだよ」


トーストにかじりつきながらピーターは呟く。
「そんなの迷信だろ、長生きしてるのに何でそんな事も解らないかねぇ」

「おっと、もう7時だそろそろ店開ける準備しなきゃな。今日はサブリナさん家に配達があるから頼むな」
そういうと彼の父親は大きく一度伸びをして工房のドアをあけた。

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